国民年金、厚生年金、共済年金などの年金支給額はいくらなのか?
また、それぞれの支払額の計算方法をみてみましょう。
見出しで拾い読みする?
国民年金
国民年金として支払いを行っている方は全体の3割程度
加入対象者は主に自営業者、学生、無職の方となります。
それ以外の方は厚生年金や共済年金を加入することになっております。
国民年金の支払額
現在の国民年金の保険料は、16,490円/月。
(平成29年4月~平成30年3月まで)
毎年、労働人口や平均寿命の伸び率などを総合的に判断し改定率が決まり、
その改定率によって最終的な国民年金保険料が定められます。
そのため、年度ごとに保険料は変動します。
国民年金保険料の金額の推移 | |
平成25年4月~ | 15,820円 × 0.950(改定率) = 15,040円 |
平成26年4月~ | 16,100円 × 0.947(改定率) = 15,250円 |
平成27年4月~ | 16,380円 × 0.952(改定率) = 15,590円 |
平成28年4月~ | 16,660円 × 0.976(改定率) = 16,260円 |
平成29年4月~ | 16,900円 × 0.975(改定率) = 16,490円 |
平成30年4月~ | 16,900円 × (改定率) |
国民年金の支給額
上記の金額を支払った場合の受取額はいったいいくらでしょうか?
国民年金は保険料も定額、支給額も定額になっており、決まった期間をしっかり保険料を納めると満額の年金が受け取れます。
支給される年金(老齢基礎年金)は毎年変わります。
平成26年4月分からの年金額 | 772,800円(満額) | 64,400円(月額) |
平成27年4月分からの年金額 | 780,100円(満額) | 65,008円(月額) |
平成28年4月分からの年金額 | 780,100円(満額) | 65,008円(月額) |
平成29年4月分からの年金額 | 779,300円(満額) | 64,941円(月額) |
保険料計算方法は少し複雑で、下記のサイトで詳しく書かれていますので、ご参考ください。
引用:老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
国民年金(老齢基礎年金)を満額受け取るための条件
- 20歳から60歳までの40年間保険料を納めている
- 40年間の中で、保険料を滞納もしくは免除されている期間がない
厚生年金
会社勤めの方は厚生年金に加入する必要があります。
厚生年金と国民年金の違いは会社(事業主)が費用の半分を負担してくれることです。
厚生年金の支払額
厚生年金の支払額は給料などによって変わります。
そのため、一概に国民年金のように一律にいくらとは出すことができません。
平成29年9月から月々の給料(平均標準報酬額)の18.3%が厚生年金の保険料額となります
しかし、2分の1は会社が負担してくれるので、私たちが支払うのは給料の9.15%(約9%)となります。
保険料(標準報酬月額)の計算方法
厚生年金の保険料は毎月の給料と賞与に一定の保険料率をかけて算出されます。
月々の給料とボーナスに保険料率(平成29年9月現在18.3%)をかけた金額を厚生年金の保険料として支払う必要があります。
しかしながら算出された保険料の半額は会社負担であるため、あなたの実質負担は9.15%になります。
毎月の保険料 | 毎月の給料(標準報酬月額) × 保険料率 |
賞与の保険料 | 賞与(標準賞与額) × 保険料率 |
標準報酬月額の算出は基本的に4~6月の給料の平均で決まられます。
そのため、この時期に残業が多く、一年を通して給料が高くなるなどの場合は厚生年金保険料が高くなってしまいます。
厚生年金の保険料表
下記の表は厚生年金保険料額になります。
保険料額表(平成28年10月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)
正確にはご自身がいくら厚生年金を支払いっているのかは毎月の給料明細で知ることができます。
給料明細の見方
給料明細の基本的な読み方になります。
給料明細書 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
勤 怠 |
労働日数(※1) | 出勤日数 | 有給休暇日数 | 慶弔休暇 | 差引支給額(※11) | ||
20 | 20 | 270,541 | |||||
欠勤日数 | 遅刻回数 | 早退回数 | 超勤時間 | ||||
0 | |||||||
支 給 (※7) |
基本給 | 役職手当 | 資格手当 | 住宅手当 | 残業手当(※6) | 非課税交通費 | |
260,000 | 20,000 | 10,000 | 5,000 | 23,047 | 16,800 | ||
総支給額(※2) | |||||||
334,847 | |||||||
控 除 |
健康保険 (健保) |
健康保険 (介護)(※8) |
厚生年金 | 雇用保険 | 社会保険合計(※3)(※10) | 所得税(※4)(※12) | 住民税(※5) |
16,847 | 2,805 | 30,909 | 1,005 | 51,566 | 3,940 | 8,800 | |
財形貯蓄 | 控除計 | ||||||
64,306 |
- (※1)労働基準法で、原則として「1日8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけない」などの決まりがあります。
- (※2)会社の基本賃金=基本給に各種手当と交通費を加えた額。
- (※3)医療費の自己負担を減らす健康保険、将来の年金になる厚生年金、失業時に給付される雇用保険、介護が必要な高齢者を支える介護保険からなる
- (※4)総支給額-社会保険合計の金額と扶養人数で等級(※9)を決定
- (※5)前年の給料に基づき計算。6月~翌年5月にかけて毎月徴収される。
- (※6)残業手当=(基本給+他の手当)÷月の平均所定労働時間(8時間×20日)×1.25(平日18-22時)×超勤時間
- (※7)手当は各企業が独自に設定する。就業規則を確認してください。
- (※8)40歳以上65歳未満の被保険者が徴収され、40歳からその分手取りが減る。
- (※9)基本給+各種手当+非課税交通費で社会保険料の標準報酬月額(等級)が決まる。
- (※10)社会保険料は一般的に会社と折半のため、実際はこの倍額を国へ納付
- (※11)いわゆるサラリーマンの手取り
- (※12)サラリーマンは毎月の給料から概算で源泉徴収され、納めすぎた分は年末調整で還付される。
厚生年金の支給額
厚生年金の保険料は収入に対して%によって決められていますが、収入が高ければ高いだけ支払う必要があるのかとそうではありません。
一定額以上の収入に対しては上限が決まっています。
・毎月の給与が62万円超えるときは、62万円に対する保険料
・賞与が150万円超えるときは、150万円に対する保険料
そのため、満額を受け取るためには?
満額を受け取るためには学校を卒業後、すぐに毎月上限まで保険料をで納めることができればもらえます。
例えば、学校を卒業後20歳から60歳の40年間、最初から月の給料で62万円以上もらい、賞与は150万円以上もらっている。
それだけ支払いをしたとして老齢厚生年金支給額の最高値は3,024,170円となります。
実質的に大多数は不可能な数字になります。
だいたい一般的なサラリーマンの方で滞納もない場合は200万円程度になるのではないでしょうか?
算出方法は日本年金機構のサイトで確認することができますが、非常に複雑です。
引用:日本年金機構-国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか?より
年金が一体いくらもらえるのか簡単に算出する方法が2通りあります。
・公的年金の受給額試算(老齢年金)
https://asp.morningstar.co.jp/lpwasp-app/pension_data_in.do
上記サイトで簡単にシミュレーションができます。
・年金定期便での確認
こちらの方法がより簡単です。
年金定期便の詳しい見方は保険マンモスさんに掲載されています。
ねんきん定期便の見方(50歳未満の方)
http://www.hoken-mammoth.jp/knowledge/pension_qa/qa12.php
ねんきん定期便の見方(50歳以上の方)
http://www.hoken-mammoth.jp/knowledge/pension_qa/qa13.php
共済年金
共済年金は、厚生年金と同じ役割を担っており、制度の中身は基本的に、厚生年金と共通しています。
共済年金に加入できるのは公務員になります。
共済年金の支払額
現役世代が払う保険料に対しても、会社員と公務員では格差があります。
厚生年金のほうが保険料が割高なのです。
ただ、この格差も平成27年10月に共済年金制度が厚生年金に統合され、年金制度は厚生年金に一元化されました。
保険料については、厚生年金が2017年、国家公務員、地方公務員共済が2018年、私学共済が2027年に18.300%になり統一される予定となります。
したがって現在は私学共済のみ割安な保険料となっています。
共済年金の支給額
共済年金の支給計算は会社員の厚生年金と変わりませんが、共済年金には独自の「職域加算」というものが存在します。
その、職域加算があるために、生年月日と給料、勤務年数が全く同じ会社員と公務員では公務員のほうが年金が多くなります。
計算方法は、
「平均標準報酬額×1.154/1000×加入期間」
(スライド等考慮せず。平成15年4月以降の期間)
平均40万円の月収だと20万円以上も年金が多くなることもあります。
まとめ
会社員であれば強制的に厚生年金・共済年金への加入になりますが、
国民年金のみの場合は支払いをまのがれることが実質できてしまいます。
よく、将来は年金制度が破城するため払いたくないという方がおられますが、
年金支払いはすべて将来のためではありません。
傷害保険、遺族年金など人生の中で万が一なにかあった場合のセーフティネットの役割もになっています。
また、破城するかどうかはわかりませんが、過去に比べて年金支給額は減少傾向にあるものの、投資利回りは今だに抜群です。
同じような利回りのでる投資商品はなかなかないでしょう。
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