お金のない両親について、親の老後を迎えてあわてないために知っておきたいこと
この記事は親のお金が無いことに不安を持つ子、孫達に向けた記事となります。
どういった問題があり、どういった対策ができるのかお金のない親に対してしてやれることの少しでも参考してください。
親のお金が無いのは普通である
知恵袋など、ネット相談などのお悩みでも多く見られるのがしっかり確認もせず、親の老後は大丈夫だろう、貯金もあるだろうと漠然と考えてしまっていること。
いざ、定年退職後にわかる、実は両親の家計は火の車、ローンも残っているなどの現実をつきつけられている方が多くおられます。
この時期は自身も子供の教育費がかかるなどすぐに金銭を工面することは厳しいことも多いはず。
老後破産という言葉があるように、今は老後にお金が無いことが普通です。
両親が現役時代に後先考えず遊んでいたから悪いなどと考えてしまうとご自身もストレスになりますし、親に嫌悪感を抱いてしまいます。
しかし、現実にこういったことが起こっており、非常に悲しいことだなと感じました。
お金が無いことが一部の特別な親では無く、”うちの両親も一般的な親と同じだ”と考えることで、
自身のストレスにならないようなメンタルづくり、資金準備もしっかり行うことができるようになると思います。
ぜひご自身の為にストレスをあまり受けないような考え方をしてみてください。
高齢者の4割が陥る?「老後破産」の問題
それでは、老後の貧困状況について、データから見てみましょう。
老後破産とは
一度は聞いたことのあるかもしれない老後破産、
簡単に表現すると高齢者が生活保護基準より低い収入で生活している状態の事をさします。
年々増え続ける生活保保護世帯数
表)全世帯でみた受給世帯数
表)世帯類型別 現に保護を受けた世帯数(高齢者のみ抜粋)
注:1)平成27年3月分までは確定値
注:2)現に保護を受けた世帯数は、月中に1月(回)でも生活保護を受けた世帯である。(保護停止中の世帯を除く)
世帯類型別にみると、対前月・対前年同月では、高齢者世帯(特に単身世帯)の数は増加し、高齢者世帯を除く世帯は減少した。 平成29年度 2月までの最新調査結果 被保護者調査 厚生労働省
全受給受給世帯のうち高齢者世帯の割合は半数以上の51.4%となっており、非常に深刻です。
厚労省が「年金が足りない」と分析
65歳以上の高齢者のいる世帯は内閣府の発表によると平成26(2014)年現在、世帯数23,572千世帯、そのうち、一人暮らし世帯の割合が、25.3%。
単身高齢者世帯の生活保護受給者数は761,670人となり、世帯の約13%が生活保護を受けていることになります。
引用:高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向(1)より
また、生活保護世帯数の増加の結果を、厚労省はこう分析しています。
「今後も受給世帯の増加傾向は続くのではないか」という見方を示しています。
データとしてしっかりと高齢者世帯の約4割が老後破産状態にあるということは導き出す事が出来ませんでしたが、現在は老後の資金について深刻な状態であることはお解りいただけましたでしょうか。
「老後破産」に陥る主な原因は?
年金が生活費より少ない
そもそもの年金が生活費よりも少ないことによるもの。
国民年金のみだと平成26年度で54,414円、夫婦2人でも10万円ちょっと…。
この金額は子世帯と同居することを前提に決められたものだそうです。
一人暮らし・夫婦2人のみなど世帯を分けた場合だと到底生活できる水準ではありません。
貯金が足りない
現役時代に必死に貯めてきたとしても、足りない場合が多くあります。
以前のこちらの記事に書いたように、貯めておきたい金額と実際に貯蓄できている金額には相当な開きがあります。
年金の足りない分は当然、貯金を切り崩して生活していくことになりますが、
当然、収入がない状態で支出していくので、早いか遅いかの違いだけで、やがて貯金が尽きます。
全世代をみても、国民の45%が老後資金の準備が無いと回答しており、今後、老後破産に陥る可能性のある予備軍は今でも増え続けています。
子ども自体が貧しく、親の面倒を見られない
どうにかお金を工面してやりたいと思っても、無いものは無いのです。
こちらの記事にあるように現役世代の収入を見ても決して大多数が裕福ではなく、厳しい社会となっています。
また、親側も素直に子供に頼ることが出来ないことも多いそうです。
医療費の負担が増す
現役時代と比較して、医療費が増える傾向にあります。
また、高額医療を自己負担で利用するなど、医療費の使いすぎも多く見られます。
高額医療には高額療養費制度をしっかりと利用するように促してください。
必要であれば代わりに書類など作ってあげると良いと思います。
医療費や介護費の自己負担の割合は、これからますます増えることが予想され、現時点の予定支出では大丈夫と思っていても、足りなくなることは普通に考えられることなのです。
以上のデータデータからもわかるように親にお金が無いことは一般的であり、けっして一部の家庭・両親の問題ではありません。
その為、両親の老後について楽観視せず、しっかりと話しをするべきだと思います。
次は本題の元手資金別に見る老後資金対策をご紹介します。
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